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可視光応答型光触媒開発の最前線 | AITOP
  • 申込要領

書籍


可視光応答型光触媒開発の最前線

発刊日 2002年10月1日
定価 本体54,000円+税
頁数 196頁
造本 B5判 上製
発行所 技術教育出版社
ISBN ISBN4-907837-08-9
発行 (株)エヌ・ティー・エス
問い合わせ (有)アイトップ
TEL:0465-20-5467 E-mail:ktl@r4.dion.ne.jp
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 監修
  藤嶋  昭  東京大学大学院工学系研究科教授
  橋本 和仁  東京大学先端科学技術研究センター教授
  (執筆者全24名) 
編集委員
 監修

 藤嶋  昭	 	東京大学大学院工学系研究科教授
 橋本 和仁	 	東京大学先端科学技術研究センター教授

 執筆者(執筆順)	 	

 藤嶋  昭	 	東京大学大学院工学系研究科
 荒川 裕則	 	(独)産業技術総合研究所
 昆野 昭則	 	静岡大学工学部
 早瀬 修二	 	九州工業大学大学院生命体工学研究科
 村井 伸次	 	(株)東芝研究開発センター
 御子柴 智	 	(株)東芝研究開発センター
 角野 博康	 	(株)東芝研究開発センター
 橋本 和仁	 	東京大学先端科学技術研究センター
 佐藤 真理	 	北海道大学触媒化学研究センター
 宮内 雅浩	 	東陶機器(株)基礎研究所・東京大学先端科学技術研究センター
 入江  寛	 	東京大学先端科学技術研究センター
 森川 健志	 	(株)豊田中央研究所
 旭  良司	 	(株)豊田中央研究所
 青木 恒勇	 	(株)豊田中央研究所
 大脇 健史	 	(株)豊田中央研究所
 多賀 康訓	 	(株)豊田中央研究所
 井原 辰彦	 	近畿大学工学部
 酒谷 能彰	 	住友化学工業(株)基礎化学品研究所
 奥迫 顕仙	 	住友化学工業(株)基礎化学品研究所
 小池 宏信	 	住友化学工業(株)基礎化学品研究所
 安東 博幸	 	住友化学工業(株)基礎化学品研究所
 高田  剛	 	東京工業大学資源化学研究所
 原  亨和	 	東京工業大学資源化学研究所
 堂免 一成	 	東京工業大学資源化学研究所
 
 
趣旨 【本書の特徴】
酸化チタンの可視光応答の実現により急速な技術展開をみせる色素増感型太陽電池と可視光応答型光触媒について、基礎技術・材料から、エネルギー・環境分野等への応用まで最新技術を網羅。  

発刊にあたって

 
はじめに


 酸化チタンとは不思議な化合物である。日本人は1人1年間に2kgも使っている一般的材料であり,特に白色塗料の主原料である。しかし本書のテーマである色素増感型太陽電池と光触媒における主原料もこの酸化チタンである。どの材料にもいろいろな分野に応用できるそれぞれの特性をもっているが,酸化チタンも特異な特性をもつ材料ということができる。
 光触媒では光励起された時に生じる強い酸化力と,超親水性という二つの異なる特異な特性を酸化チタンがもっていることが利用されている。他の無機系酸化物にない特性である。しかもごく最近になり,紫外光にしか応答できなかった酸化チタン光触媒が,より利用範囲が広い可視光にも感じるようになり,ホットな話題となっている。これが,本書の主テーマの一つの可視光応答型光触媒である。酸化チタンの酸素のところを少しだけ窒素で置き換えると可視光応答性を示すようになることがわかったことが主な成果である。何でもわかってしまうと,簡単な事実によることで驚くことが多いが,この例でも同じことが言える。
 色素増感型太陽電池の基本的考え方も,写真における分光増感反応の光電気化学的研究として35年以上前から調べられていたことである。しかし,1991年Grtzel教授によって多孔性酸化チタンを用いると効率の高い色素太陽電池が組めるとして発表され,世界的に注目されるようになった研究である。ここでも酸化チタンが主役の一人を演じているから不思議である。この太陽電池も溶液系から固体系へと,研究の流れがシフトしつつあり,実用化へ向けての試みがなされている。
 本書は以上のように酸化チタンを使いながら,人類にとって現在最も重要なテーマである環境とエネルギーに関する技術の可視光応答型光触媒と色素増感型太陽電池についての最新の技術がまとめられている。ぜひ広く各方面から利用していただきたいものである。

東京大学  藤嶋 昭

 
 

書籍・DVDの内容


第1編 色素増感型太陽電池の最新技術


	
 色素増感型太陽電池研究開発の歴史と展望
1.	はじめに
2.	太陽エネルギーの大きさ
3.	太陽エネルギーの変換
4.	太陽電池
5.	酸化チタン電極の光増感電解
6.	酸化チタン電極を用いる水の光分解
7.	色素増感研究の歴史
 	
8.	色素増感電池の固体化
8-1.	導電性ガラスヘの酸化チタン薄膜最適接合技術
8-2.	酸化チタンの多孔質化技術
8-3.	CuI等p型半導体固定化技術の開発
8-4.	対向電極技術の開発
9.	おわりに
 
	
 色素増感太陽電池研究開発の現状
1.	はじめに
2.	産総研・光反応制御研究センターにおけるグレッツェル・セルの性能追試(変換効率8.4%の達成)
2-1.	多孔質で高表面積なチタニア薄膜の調製
2-2.	光散乱中心の添加
2-3.	チタニア薄膜の処理
2-4.	Ru色素固定チタニア膜の塩基処理
2-5.	色素増感太陽電池の性能
3.	新しい色素増感型太陽電池の開発
3-1.	チタニア以外の酸化物半導体薄膜光電極を用いる色素増感太陽電池
 	
3-2.	新規な高性能金属錯体色素の開発
3-3.	有機色素を用いた色素増感太陽電池の研究開発
4.	色素増感新型太陽電池の実用化への課題
4-1.	経済性
4-2.	高効率化
4-3.	耐久性
4-4.	セルの集積化技術
5.	おわりに
 
	
 色素増感型太陽電池の固体化の最近の展開
1.	はじめに
2.	固体化にはどのような方法があるか?
2-1.	電解液をゲル状固体化する方法
2-2.	有機正孔輸送層を用いる方法
2-3.	p-型半導体を用いる方法
3.	固体化を成功させるためのポイント
3-1.	性能を左右する短絡防止層
3-2.	多孔質膜内にいかに固体正孔輸送層を充填するか?
4.	ヨウ化銅を固体正孔輸送層とする全固体型色素増感太陽電池
 	
4-1.	作成法
(1)	電極の作製法
(2)	ヨウ化銅層の形成 
4-2.	ヨウ化銅への添加物の効果
(1)	イミダゾリウム塩の添加効果
(2)	チオシアン酸イオンによるヨウ化銅微粒子の微細化
4-3.	特長および問題点と対策
5.	今後の展望
 
	
 色素増感型太陽電池の擬固体化の最近の展開
1.	はじめに
2.	擬固体色素増感太陽電池とは
3.	ゲル化剤の分子設計のために考慮すべき項目
4.	物理ゲル電解質を使った擬固体色素増感太陽電池
5.	架橋型ゲル電解質を使った色素増感太陽電池
 	
5-1.	ヨウ素存在下で反応するゲル化剤の探索
5-2.	少量のゲル化剤で液体電解液をゲル化する仕組み
6.	おわりに
 
 
第2編 可視光応答型光触媒の最新技術


	
 可視光応答型光触媒研究開発の歴史と展望
1.	はじめに
2.	光触媒研究の歴史
2-1.	本多・藤嶋効果の発見
2-2.	粉末光触媒へ
2-3.	酸化チタンによる有機物と水の反応
2-4.	水素発生から酸化分解へ
2-5.	可視光応答光触媒へ
3.	窒素ドープ酸化チタン光触媒
3-1.	特許から見た開発経緯
3-1-1.	三菱化成
3-1-2.	シャープ
3-1-3.	住友化学工業
 	
3-1-4.	豊田中央研究所
3-1-5.	エコデバイス社
3-2.	可視光応答機構
3-2-1.	合成方法
3-2-2.	XPSによるキャラクタリゼーション
3-2-3.	可視光吸収酸化チタンのバンド構造と光学吸収
3-3.	反応活性
3-3-1.	可視光応答活性の評価法
3-3-2.	光誘起酸化分解の反応例
3-3-3.	光誘起親水性の反応例
 
	
 NOxをドープした酸化チタンの可視光触媒活性
1.	はじめに
2.	キシダ化学製β型水酸化チタンの光触媒活性
2-1.	焼成による結晶構造および吸収スペクトルの変化
2-2.	光触媒活性の測定
3.	加水分解法によるNOxドープ酸化チタンの調製と光触媒活性
 	
3-1.	TTIPのアンモニア水による加水分解
3-2.	光吸収スペクトル
3-3.	光触媒活性
3-4.	ドーピングのメカニズム
 
	
 /高感度化親水性材料
1.	緒言
2.	高感度化のための設計指針
3.	担持型/複合薄膜
 	
4.	積層型/薄膜
5.	暗所維持特性の付与(さらにとの複合)
6.	おわりに
 
	
 可視光応答型酸化チタン光触媒の研究
1.	緒言
2.	窒素ドープ型酸化チタン粉末
2-1.	作製方法
2-2.	キャラクタリゼーション
2-3.	光触媒活性評価
2-3-1.	評価方法
(1)	気相分解
(2)	光源
2-3-2.	評価結果
(1)	プロパノール気相分解
(2)	アセトアルデヒド気相分解
3.	窒素ドープ型酸化チタン薄膜
 	
3-1.	作製方法
3-2.	キャラクタリゼーション
3-3.	光触媒活性評価
3-3-1.	評価方法
(1)	親水化特性
(2)	オレイン酸分解
(3)	光源
3-3-2.	評価結果
(1)	親水化特性
(2)	オレイン酸分解
4.	考察
5.	総括
 
	
 窒素ドープによる酸化チタン光触媒の可視光応答化
1.	はじめに
1-1.	酸化チタン光触媒の研究開発の経緯
1-2.	従来の可視光応答型酸化チタン光触媒
2.	豊田中央研究所における可視光応答化のコンセプトと材料設計
3.	Ti-O-N光触媒薄膜
3-1.	スパッタTi-O-N膜の作製法
3-2.	スパッタTi-O-N膜の光学特性
3-3.	スパッタTi-O-N膜の光触媒特性
3-3-1.	メチレンブルーの分解特性
 	
3-3-2.	表面親水性
4.	Ti-O-N光触媒粉末
4-1.	作製法
4-2.	Ti-O-N粉末の光触媒性能
4-3.	Ti-O-N粉末の耐久性
5.	Ti-O-N光触媒中のN原子の状態 
5-1.	XPSのN1s殻スペクトル
5-2.	NのOサイト置換ドーピング
5-3.	置換サイトNの量と可視光活性との関係
6.	おわりに
 
	
 低温プラズマ法および湿式法で調製した可視光応答型酸化チタン光触媒と特徴
1.	はじめに 
2.	調製方法
(1)	プラズマ法
(2)	湿式法 
(3)	湿式法による可視光活性発現のポイント1
 	
(4)	湿式法による可視光活性発現のポイント2
(5)	加熱法
3.	可視光活性評価
4.	耐久性
5.	おわりに
 
	
 可視光線応答型酸化チタン光触媒の開発
1.	はじめに 
2.	粉末状可視光線応答型酸化チタンの開発
2-1.	調製および評価方法
2-2.	可視光線での評価結果
2-3.	蛍光灯での評価結果
2-4.	ブラックライトでの評価結果
2-5.	反応の波長依存性
2-6.	触媒活性の寿命評価
 	
2-7.	分解対象物質
2-8.	XPS測定結果
3.	可視光線応答型酸化チタンコーティング剤の開発
3-1.	特徴
3-2.	評価方法および結果
4.	繊維状可視光線応答型酸化チタンの開発
5.	まとめ
 
	
 水の可視光分解を目的としたオキシナイトライドの研究
1.	はじめに 
2.	種々の半導体光触媒
 	
3.	オキシナイトライドの合成と構造
4.	オキシナイトライドの光触媒活性
 
	
 可視光応答型光触媒による水の完全分解反応
1.	はじめに
2.	光合成のZ_スキームを模倣した可視光照射2段階光触媒水分解システム
2-1.	二段階光触媒水分解システムの概念
2-2.	水溶液からの水素発生
2-3.	水溶液からの酸素発生
2-4.	水の完全分解システムの構築
 	
3.	新しい系光触媒を用いた可視光照射下での一段階水分解システム
3-1.	系光触媒の水分解活性
3-2.	系光触媒の構造とその安定性
3-3.	系光触媒のバンド構造と触媒機能の発現